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貸金業者の破綻
武富士ショック
大手消費者金融の一角,株式会社武富士は平成22年9月,東京地裁に会社更生手続開始の申し立てをし,倒産しました。
貸金業者が破産,特別清算,会社更生,民事再生のどの手続きを取るにせよ,倒産してしまえば,過払い金は大きくカットされることになります。
平成23年7月に武富士が東京地裁に提出した更生計画案によると,過払い金の弁済率(届出された過払い金の額に対し,実際に支払われる割合)は3.3パーセントという,極めて低い数字となりました(一応,第2回弁済の予定はあるとのことですが)。
数百万円の過払い金があったとしても,支払われるのはたった数万~十数万円です。
過払い金を他社への返済にあて生活再建を目指していた人,過払い金を弁護士費用にあて自己破産や個人再生を計画していた人にとっては,悲劇としか言いようがありません。
一刻も早い回収を
では,他の大手貸金業者はどうでしょうか。
アコム,プロミス,新生フィナンシャル(レイク)の3社は,平成23年10月現在,過払い金の返還には割合素直に応じています。
同じグループに属する銀行からのバックアップがあるためと言われていますが,貸金業界自体が冷え込んでいる以上,今後倒産する可能性はゼロではありません。
一番苦しいのは,銀行の系列に属していない業者で,過払い請求には,かなりの減額を求めてきます。
中小の貸金業者は,クレジット会社や流通企業の系列である一部を除き,非常に厳しい状況です。
過払い金請求には大幅な減額を要求し,それも支払を先延ばしにして,どうにか延命を図っています。
名古屋市内にも多くの中小貸金業者がありますが,状況は似たりよったりです。
名古屋市内の会社ではありませんが,平成23年4月には,「ニコニコクレジット」のブランド名で名古屋市をはじめ東海地方に利用者の多かった丸和商事が破綻しましたが,今後このようなケースが増えていくと考えられます。
過払い金は,皆さんが苦労して払ってきたお金ですので,ぜひ悔いを残さぬよう,一刻も早く回収に踏み切ってください。